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2009/07/30

町田市相原町706番地先から鑓水小山給水所間送水管(1500mm)用トンネル及び立抗築造工事

「そら」2009年7月号 現場拝見  第13回

施工/飛鳥・鉄建建設共同企業体

シールド発進後に巨礫が見つかり

立坑をさらに4m深く掘り下げ

多摩ニュータウン西部の小高い丘に、クリーム色の巨大な建物がある。約10km離れた高尾山の展望台からも双眼鏡で見られることができるこの建物は、東京都水道局が進める「多摩丘陵幹線事業」の二次路線の第8工区にあたるトンネルの発進基地「多摩シールド作業所」だ。

多摩南西部地域は、都市化の進展に伴う水需要の増大から、①送水能力の強化、②浄水場・送水幹線の事故や震災時の広域的なバックアップ機能の確保、③更新時期を迎える送水管の代替機能の確保が必要とされている。東京都水道局は、こうした課題を解決するため、平成9年より多摩丘陵幹線整備事業として工事を進めてきた。事業が完成すると、多摩南西地域への安定的な給水が確保され、既存の送水幹線の補修や更新工事が効率よく行えるという。

同現場の立坑の掘削工事で、当初予定のシールド発進の深さ(土被り17m)に、土質調査の時に確認できなかった巨礫(Max750×350)が見つかった。そのため、立坑をさらに4m深く掘り下げ、立坑の深さは24m。かなり深い。ここから直径2.6mのシールド機で延長3.4kmを掘削する。丘陵地帯の幾重にも重なる地層を下り勾配で貫き、到達点の地中接合で相手方のシールド機とドッキングする工法を採用。「現在、発信基地から1500mを掘進中ですが、カッタービットの摩耗など、難題が残っています。職員と作業員が一体となって、最後まで無事故・無災害で到達させたい」と川島所長は力強く語る。

不安全行動ゼロ宣言を掲示

「安全に時間と金を惜しむな!」

同作業所の川島所長は、災害ゼロをッ製するべく、次のような「不安全行動ゼロ宣言」を掲げ、周知徹底を図っている。

①親方(職長)・監督(職員)は、現場巡視時、決して不安全行動を見逃さず、その場で迅速に指導する。

②作業員同士(全協力会社)の声掛け運動を展開し、現場から不安全行動を排除する。

③安全設備に妥協はない!仕事を中止しても安全施設の維持・管理を行う。

「不安全行動があったとき、問題を先送りすると、現場内に『妥協→漫然』といった雰囲気や環境が生まれます。そうならないよう不安全行動を見つけたら、仕事をいったん止めさせ、その場で指導・是正し、確認するということを徹底させようというものです」と川島所長は語る。そのためにも、現場のコミュニケーションをよりよくしようと懸命だ。 

また、「工程、品質、利益は、すべて安全の上に成り立っています。『安全に時間と金を惜しむな!』をスローガンに掲げています」と語る川島所長の願いは、現場の随所に反映されている。

まず、「命の籠」と名づけられた二重の墜落防止措置。クレーン作業で支障となる手すりを改良したもので、間口部際での手すりの取り外し作業の危険を回避するため、スライドゲートに改造した。 

「開口部付近で作業を行うときは、手すり端部に安全帯をかけるルールになっていますが、ゲート開閉作業がほんの短い時間で終わるので、万一、安全帯をかけないで作業してしまったら……という危険性を考慮して、直下に転落防止の養生枠を取り付けました」と藤田敏治課長は説明する。

もう一つは、立坑下坑口部に取り付けた通称「フラッシュサイレン」だ。24mもの深さがある立抗の上部のクレーン作業中、もし落下物があったら重大災害につながる。したがって、クレーン作業中は、開口部直下は、立ち入り禁止にしなければならない。立坑上下間には、警報ブザーや退避アナウンスや回転灯は設置されている。しかし、狭いトンネル内を腰をかがめて長時間歩いてきた作業員が、坑口の手前で警報アナウンスがあったとしても、すぐ気づくことができるだろうか? 少しでも早くトンネルから抜け出て腰を伸ばしたくなるのではないか? そう感じた同現場では、対策として、トンネル坑口内に、はっきり目に付く点滅式の回転ライト(フラッシュサイレン)を取り付けた。あわせて、トンネル坑口の先に、腰を伸ばしてもらえるようにと、「ぶら下がり棒」も設置した。

KY活動マンネリ防止に

職長会活動を積極的に展開

作業が順調に進むに従い、繰り返し作業が中心のシールド工事は、日々のKY活動が、どうしてもマンネリ化してしまう傾向がある。そこでマンネリ防止に活躍するのが、職長会活動である。現在、シールド掘削班、残土運搬班、仮設電気班、セグメントシール班、ガードマンの計5班(5名)で構成され、隔週金曜日にミーティングを行っている。

これまでの主な活動は、次ぎのとおり。

    目で確かめる安全帯機能

これは、シールド発信前の高所作業を行う仮設備関係の施工時期に行ったものである。高所作業では、墜落・転落災害防止のために安全帯を使用するが、安全帯のフックをより高い位置に掛けなければ墜落した際の衝撃が大きく、内臓破裂の危険性もある。職長会では、「実際に人に見立てたハリボテを使って、その衝撃を実感してもらおう!」と体験実験を行った。安全帯を腰より低い位置に掛けてハリボテを落とすと、その衝撃は大きく、安全帯のフックは変形した。以来、作業員の安全意識は高まり、KY活動において、「安全帯を使う」のみにとどまらず、「フックは腰より上の高さに掛ける」というルールが新たに加えられた。

    安全標語の募集

年度ごとにJV職員や協力業者全員から標語を募集し、全員が審査員となって優秀作品を決定。優秀作は現場内に掲示。

    顔写真入り入坑表示札

コミュニケーションを図るうえで、顔写真の表示はとても役立っている。

現場のイメージアップのため

地域のボランティアにも参加

工事を円滑に進めるには、近隣住民の理解を得ることが重要だ。そのため、さまざまな工夫や努力を行っている。

●イメージアップ……看板発信基地のハウスに、東京都水道局の「東京水」のイメージ看板を掲示。加えて、地名である「鑓水」のいわれをイメージさせる看板も設置し、親近感を持ってもらえるよう努めている。

●現場見学会とAED講習会……シールド発進前に、立坑下にセットされたシールド機を中心にした見学会を開催し、近隣マンションの100名が来場。また、現場見学会とあわせて、講師を招きAEDの使用方法の講習会も開催し好評を得た。自由民が緊急時に利用できるようハウス外壁に設置場所の案内図を掲示した。

●川島所長の地域ボランティア活動への参加……毎週金曜日の朝30分間、現場周辺の清掃作業を行っている。所用でなかなか参加できない川島所長はじめ職員数人は、地域ボランティア活動として、昨年9月より、八王子市、稲城市、府中市主催の多摩川清掃に積極的に参加している。

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