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2009年5月

2009/05/28

おかげさまで4刷☆

おかげさまで『イヌ好きが気になる50の疑問』
またまた増刷されることになりました
今後ともよろしくお願いいたします!

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2009/05/18

第18回「わん句にゃん句」発表♪

http://www.geocities.jp/hh_nippa/wanku/happyou.html

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2009/05/10

PCで読める吉田悦子の本

「電子書店パピレス」で著書がご覧いただけますhttp://www.papy.co.jp/act/books/1-53599/

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2009/05/08

吉田悦子のニッポンの犬探訪記26 秋田犬

意志強固にしてあふれる男気

人もこういう生き方をせねば

日本の伝統楽器、篠笛奏者の村山さんは、20年来の夢であった秋田犬との暮らしを実現。「民俗芸能と日本犬に共通点を感じる」という村山さんは、愛犬・天鵬号とのふれあいで得たエネルギーを演奏活動に生かしている。「家庭犬としての秋田犬の素晴らしさをお伝えし、少しでも日本犬の保存のお手伝いできたら光栄です」と語る。

「犬を飼うなら秋田犬!」1年前から子犬を迎える準備

ある日、私のもとに1通のメールが届いた。差出人は村山二朗さん。村山さんは、京都駅の構内で、何気なく私の新刊『世界の犬「101」がよくわかる本』を手にとってくださったそうだ。

買い求めて読んだところ、「たいへん感激した」とファンレターとして、初メールをくださったのである(自分の本のPRのようでゴメンナサイ)

村山さんのご了解を得て、そのメールから少し引用させていただこう。
「ブックカバーには、流行の愛玩犬が並び、失礼ながら、ファション感覚の犬種紹介本なのかと錯覚しました。『どうせ日本犬は冷遇されているのかな』と、あきらめ気分で読み始めたところ、冷遇どころか、日本犬のところは愛情にあふれ、行間から『作者は日本犬ファン』だと確信しつつ読み進めたのでした」
 メールを読むうち、村山さんは神奈川県三浦郡葉山町に在住で、天鵬号という秋田犬と暮らしていることがわかった。秋田犬は、年々飼う人が減っている。葉山町でも、天鵬号のほかにメスの秋田犬がいるだけだという。

散歩中によく「犬種は何ですか?」と質問される。「秋田犬です」と応えると、「初めて生きている秋田犬を見た」と驚く人も少なくない。それだけに、秋田犬に4ページを割いて大きく扱っていることに感激されたようだ。
「犬種にまつわるエピソードや情報が興味深く、楽しく読ませていただきました。特に紀州犬の伝説のところでは涙が流れました。かつて日本人は、オオカミと共生していたのに、明治時代に欧米に倣って駆除してしまったことが残念でなりません」

 心から日本犬を愛し、真摯な気持ちで愛犬と向き合う様子が伝わってきた。村山さんとその愛犬・天鵬号を訪ねるため、私は葉山へ向かった。

JR逗子駅で村山さんが迎えてくださった。真っ赤な車の助手席に乗って振り返ると、天鵬号は、顔をのぞかせている。村山さんは、ふだん「テン」と呼んでいる。私が「テンちゃん、おはよう」と挨拶すると、大きな瞳で静かに私を見つめる。実に目ヂカラがある。久しぶりに、たくましく堂々とした秋田犬を間近に見た。
 子供のころから犬好きだった村山さん。大人になったら犬を飼いたいと思い続けていた。秋田犬に魅せられたのは20年ほど前、秋田県大館市で秋田犬を目にしてから。

音楽家の村山さんは、篠笛という、日本の伝統楽器の一種の横笛の演奏・作曲・録音活動に携わっている。和楽器を通じた国際的な文化交流をすすめるとともに、篠笛の入門書を出版して実技指導にも力を入れている。

20代から音楽家として活動し、各地の公演や海外ツアーなどが続き、なかなか犬を飼う条件が整わなかった。3人の子供たちが、小学生となったのを機に、犬を飼い始めることにした。

犬種選びで議論になった。「ポメラニアンがいい」「パグもかわいいよ」「やっぱり柴犬でしょ」。妻も子供も小型犬を希望した。ところが村山さんは、「犬を飼うなら秋田犬!」と断固として押し切った。日本の気候に合うのは、やはり日本犬。ご近所の人に無駄吠えもしないし、演奏旅行で家を空けた際、番犬として家族を守ってくれるという思いもあった。

「でも、それは建てまえで、一番の理由は、積年の夢を今かなえないと、秋田犬初心者が、老年になってから飼ったのでは、体力的に難しいだろうと考えたからでした」と村山さん。
 秋田犬を飼いたいという、20年来の夢を実現するため、ブリーダーを訪ねて親犬を見に行き、育て方を聞いた。以前、飼っていた小型犬がメスだった(柴系とスパニエル系とのMIX、享年17)ので、「次はオス」と決めていた。

さらに秋田犬の飼育書を読んで情報を収集した。自宅の庭で放し飼いができるよう柵工事も施した。「仔犬は、最初の1年間が、しつけや運動や栄養の勝負となりますので、私は仕事のスケジュールを工夫し、万全の受け入れ態勢を整えました」というからハンパな覚悟ではない。1年にわたる準備の末、天鵬号は、村山家に迎えられた。
「私にとって初めての秋田犬ですので、犬種の特徴なのか、天鵬の個性なのか判別がつきませんが、豪胆な性格で、おびえたところは一度も見せたことがありませんね」と感心する。

「賢くて敏感、プライドが高い。頑固で意志が強いですね。一度決めるとテコでも動かない。散歩をしていても前進あるのみ、後退するのは大嫌い。途中で動かなくなることもありますが、何らかの理由があるので、多少時間がかかっても、納得すれば、理解して行動するといった柔軟性もあります」

村山さんは、天鵬号が幼いころから、葉山の町営ドッグランに通い、さまざまな犬と遊ばせるように努めた。そのため、天鵬号はどんな人にも優しい。特に老人や女性や子供、老犬や仔犬が大好き。家族意識も強い。『世界の犬「101」がよくわかる本』には、タイトルにあるよう101種について解説しているが、村山さんによると、

「各犬種ごとの性質を知ることができるので、ドッグランで無用なケンカをしないよう、事前に予測したりするのに大変役立っています」という。

「秋田犬は、売られたケンカは買うタイプですので、犬同士の相性に気をつけないと、相手の犬を傷つけてしまうおそれもあります。コーギーやジャックラッセル・テリアは、気が強いので、接触は避けるようにしています」

村山さんは、15年ほど前、北米のネイティブアメリカンの人権回復運動の団体から、日本の秋田犬の繁殖について相談を受けたことがあった。

その発端は、学術調査ということで、インディオのある部族の墓を掘り起こして人骨の採取を行なっていたのを、「先祖の墓を掘り起こさないでほしい」とインディオの人々が申し入れたことにある。

ところが政府は、それを受け入れず、訴訟問題となった。現金収入の少ないインディオには、裁判費用の負担が大きい。そのため、犬の繁殖というアイディアが持ち上がり、犬種として日本タイプの秋田犬が候補に上がったという。
 相談を受けた村山さんは、秋田県大館にある秋田犬保存協会を訪ねた。協会の顧問を務めていた獣医師の小笠原圭一氏にお話を伺った。そして、日本人やマタギと秋田犬の繋がりについてレポートをまとめ、資料とともに北米に送った。

その結果、ネイティブアメリカンのコミュニティーの判断により、秋田犬の繁殖・販売は実現には至らなかった。

「7世代先のことを考えて物事を決定し、生活するインディオでは、『日本犬は日本人の魂であり、利益目的で繁殖してならない』と結論づけられたのです。私のほうが、彼らから大切なことを教わったような気がしました」

日本犬はよく古武士と形容されますが、天鵬号もそうです。曲がったことを好まず、意志強固にして律義。あふれる男気。自分と比べて、なんとエライのだろう。人もこういう生き方をせねば、と教わることが多いですね」
 日本の伝統楽器である篠笛の演奏を天職とする村山さんは、「民俗芸能と日本犬に共通点を感じる」という。「日本の風土に育まれ、縄文時代より人々に愛されてきたのが、明治時代に欧米文化の波にもまれ、戦争によって存続が危ぶまれました。その一部は消滅し、戦後なんとか生き延びるも、現在では社会の変化により、新たな苦難の時代を迎えている。これは民俗芸能も秋田犬もまったく同じです」

村山さんは今、天鵬号の日常の世話を通じてもらったエネルギーを篠笛の仕事に生かしている。

「家庭犬としての秋田犬の素晴らしさをお伝えし、日本犬の保存に少しでもお手伝いできたら、光栄です」

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