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2009/02/01

横浜環状北線トンネル・立杭工事及び長島大竹線高架橋下部工事(仮称)

「そら」2009年1月号 現場拝見  第11回施工/五洋建設(株)

TRDやGSTなどの最新工法で高精度の掘削が可能に!

2002年サッカーワールドカップ決勝戦が開かれた日産スタジアムを臨む横浜市港北区北新横浜。鶴見川に架かる新横浜大橋から亀甲橋に至るあたりで、横浜環状北線トンネル(以下「北線」という)の出入口付近の開削トンネル、シールド発進立杭および新横浜換気所の土留工、横浜市都市計画道路長島大竹線のRC橋脚、橋台、擁壁の築造工事が進行中だ。北線は、横浜市の交通ネットワークの骨格を形成する横浜環状道路の北側区間に当たる。第三京浜道路の港北インターチェンジから、首都高速道路横浜羽田空港線の生麦ジャンクションをつなぐ自動車専用道路。全体の約7割がトンネル構造となる。現在、北線の出入口は、シールドマシンを下ろすための発進立坑が行われている。開削トンネルの土留壁は、地下水圧による掘削底面の「盤ぶくれ」を防止するため、止水性に優れたTRD地中連続壁を地表から44~50mの深さまで打設する。「盤ぶくれ」とは、地盤を掘削したときに掘削底面の地盤が、地下水圧によって持ち上げられる現象のこと。これが発生すると、掘削底面に亀裂が生じ、土砂.を伴った地下水が掘削溝内に噴出し、土留壁の倒壊、周辺地盤.の沈下などの重大災害を誘発することもあるという。「TRD工法」とは、地中に建て込んだチェーンソー状のカッターポストとカッターチェーンを一気に横方向に移動させ、溝状に掘削した原地盤土砂とカッターポスト下端部からセメントスラリを攪拌しながら、ソイルセメントの地中連続壁を施工する工法をいう。また、終端部の遮水壁は、約50mの深さとなるため、GST工法(SMW工法の施工精度を向上させた工法)を採用。これにより、削孔時に、GST掘削機の先端位置をリアルタイムに自動計測・制御できるため、高精度の連続地中壁の施工が可能となった。従来のSMW工法にくらべ、土留壁の削孔精度が300分の1以上に向上した。「発進立坑の土留壁は、土砂が崩れないよう強固な壁にするため、止水性と鋼性に優れた泥土モルタル地中連続壁を採用しました。地下水位や地盤変位を計測し、周辺に影響がないことを確認しながら施工しています」と伊藤文彦所長は語る。「泥土モルタル地中連続壁工法」とは、水平多軸式壁掘削機を用いて、高精度の土留壁を造る工法で、壁体材料に泥土モルタルを使用し、周辺地盤の沈下を抑える。ちなみに、北線のトンネルが通過する地層を事前に調査した結果、ほぼ全線にわたり、上総層群という非常に硬い地層であることが判明。したがって、北線の工事は、全体的に地盤の堅固な深い位置に計画し、最も地盤沈下を抑制できるシールド工法が採用された。そのため、地盤沈下の心配は少ないといわれている。さらに、新横浜大橋につながる長島大竹線の橋脚は、ケコム工法で施工する。これは、橋脚基礎下部に気密な作業室を設置し、ケーシング(鋼製の筒)を回転・圧入させながら、掘削・沈設後、鉄筋コンクリートを打設することによって、場所打ち杭を築造するもの。ケーシング内の土砂は、油圧グラブを用いて掘削・搬出する。低騒音・低振動型の堀削機を使用するため、周辺環境に優しい工法であるといえる。

「安全五箇条」を基本方針に掲げ自分勝手な行動を戒める

工事用車両については、現場周辺が通学路であるため、搬出・入時間を制限。特に、ダンプトラックについては走行ルートを決めているとともに、荷台にシートを被せたり、工事用道路や出入口付近に散水したりして、土砂の飛散防止に努めている。「当工事の進捗も約25%となりました。これまでは、連壁工事がメインでしたが、いよいよ掘削、土留支保工が中心です。職員の人数も限られているので、細かなところまで目の行き届かないこともあるかもしれませんが、職長会の皆さんの協力で、安全面についてもより引き締めて取り組んでいきたいと思っています」(伊藤所長)。伊藤署長は、安全五箇条として、一、 近道せず二、 省略せず三、 憶測で行動せず四、 急がず慌てず五、 周囲の注意を怠らずを挙げ、安全を無視して自分勝手な行動をとることを戒めている。「常に余裕を持って仕事をすることが大切です。事故を起こしては何にもなりません」と強調する。さらに、現場のスローガンとして、「重機災害の防止、墜落転落災害の防止、飛来落下災害の防止」という3つを掲げる。クレーンが倒れる、重機の旋回時に作業員がはさまれる、杭打ち機に巻き込まれる、H鋼が落下するなど、工程ごとの危険性を予測し、それを除去するための具体的な対策(クレーンのつり荷の下への立入禁止、監視の徹底、重機の作業半径への立入禁止など)を立てている。すなわち、リスクアセスメントを実施し、作業所に潜む労働災害の芽を事前に摘み取るよう努めているのである。職長会の野上雅人会長(産興建設)と雨宮信太郎副会長(野本建設)も、毎週水曜日に職長会による安全パトロールを行い、危険要因の除去に神経をとがらせる。

近隣住民に配慮した環境美化運動にも取り組む

同現場では、周辺環境にも気を配り、仮囲いは白色板を基調とし、部分的に透明板を採用することによって、施工状況が見られるよう工夫している。また、斜面を覆うシートも、従来のブルーシートではなく、土面になじむブラウンシートを採用するなど、周囲との調和を図っている。また、定期的に道路清掃や土手の草刈などの奉仕作業も行っている。注目されている現場だけに、市関係者などの見学者も絶えない。工学部の大学生100人を招いて、(社)日本土木工業協会主催の「100万人の市民見学会」も開催し、好評を得た。「安全は1人ひとりが守らないと達成できません。より仲間意識を強め、これからも助け合って、基本ルールの徹底と確認を励行していきます」と静かに語る伊藤所長。強固な意志とあたたかな人柄が伝わってきた。

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コメント

初めまして~♪
お仕事頑張って 下さいネ(-^□^-)

投稿: あけみ | 2009/02/07 23:18

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