JV晴海新築工事作業所(仮称)
「そら」2008年5月号 現場拝見 第7回
JV晴海新築工事作業所(仮称)
長谷工 コーポレーション
最新の注目スポット・晴海にスタイリッシュなマンション建設中
東京都中央区晴海。最寄り駅は、都営大江戸線勝どき駅。都心のベイエリアは、これまで、豊洲や月島などの開発が話題をさらっているが、ここ晴海地区は、最新の注目スポット。周辺は開発が進み、道路も碁盤の目のように整備されてきている。開発計画ごとの敷地面積も比較的広いといった条件がそろっている。
晴海5丁目に、SRC造地下1階地上20階建てのマンションが建築中だ。建設敷地は、朝潮運河に沿いに位置し、東西に長い。敷地面積は、約1万2000㎡。その敷地の両側を朝潮小橋という橋が縦断している。朝潮小橋を境に東西に分かれ、西(W)敷地には438戸と378戸の住宅棟と10階建ての自走式駐車場(448台)、東(E)敷地には378戸の住宅棟とタワーパーキング(100台)が計画されている。
白と黒を基調としたスタイリッシュな外観デザインの住宅棟、水景施設を取り入れた中庭、地球温暖化防止のための屋上庭園や屋上緑化などが予定されている。2009年2月完成予定。
建設地の北側境界から朝潮運河の護岸までの距離がわずか10m程度と隣接している。そのため、「港湾法による規制もあり、場面場面で港湾局や関係官庁との調整が必要です。また、深層地盤改良杭、山留め工事、根ぎり工事などの基礎工事における止水、土留め、孔壁の崩れ防止などの配慮が必要で、敷地内の水位や掘削部周辺の土圧・変位などを常時測定する必要がありました」と荻原和博所長は語る。
配慮は施工だけにとどまらない。高潮対策のため、敷地廻りに3mの擁壁を設け、完成時の地盤は、現状より3m高く設計されている。
当たり前のことを当たり前にやる それが安全のために最も大切
荻原所長は、「建設部門のモットーである『信頼の品質を、心をこめてお客様へ』が、設計施工にたずさわる長谷工コーポレーション全員の共通の認識になっています」と力強く語る。「すべてにおいて安全が最優先される」ことを基本方針に掲げ、決して妥協を許さない姿勢を貫く。
「絶対に危険を見過ごさない。悪いものは即是正し、常に安全を確保して作業を進めるといった強い意志を持つことが大切です。そして、作業前に、何が危険か、どうすれば安全かを考えること(リスクアセスメントの実施)。ときには、一生懸命のあまり、周りを見失って、間違いを起こしてしまうことがあるかもしれない。それを避けるためにも、やらなければならないことは絶対に行い、やってはならないことは、絶対にやらない」
当たり前のことを当たり前にやること、それが最も単純で、最も大切ことなんだと、所員や作業員には言い聞かせている。
また、「常に成長し、自らのレベルアップを図る大切さも強調しています。常に問題意識を持つこと。なんにでも当事者意識を持って、『これで問題はないか?』と、日々新たにな気持ちで、自分のこととして受け止めて考えることが大切なんです」と強調する。
品質についても、「きれのいい仕事」「プロの目に耐えられる仕事」に徹するとともに、図面だけに頼らない、現場を重視した施工管理を心がけている。
「常に、エンドユーザーの立場で考えることが大切です」。それにより、アフタークレームをなくしていくことができるのである。
アットホームな雰囲気で 新規業者も溶け込める環境づくりに励む
職長会は、「シーサイドはるみ職長会」という名称で活発に活動している。
「500人前後の職人さんが働いていますが、堅苦しくないアットホームな雰囲気で、新しい職人さんもすぐ現場に溶け込める環境をつくっています」と盛田英幹主任は語る。
シーサイドはるみ職長会は、「安全」「美化」「分別・環境」「駐車場」の4つの専門委員会に分かれ、それぞれ積極的な活動を展開している。
「安全委員会」は、毎日の安全確保のため、現場点検を実施。毎週火曜日には、「グットジョブパトロール」を行い、工程の打ち合わせの際に、他の模範となるようなよい仕事、よりよい現場の環境についても発表し、お互いの向上心を刺激し合っている。
「美化委員会」は、清掃道具を管理し、一斉清掃の運営を行っている。毎週火曜日と金曜日の午後に約30分間、一斉清掃を行い、清掃範囲の分担や清掃状況、出されるゴミの分別状況もチェックしている。
「分別・環境委員会」は、ゴミの分別管理、休憩所や仮設トイレの清掃・片付け状況の管理を実施している。
「駐車場委員会」は、入場してくる車輌の管理および駐車場の整備を行っている。
このほか、職長会では、年2回、すべての作業員を集めて親睦会も開催。業種を超えてコミュニケーションを良くして、仕事上で必要な安全な声を掛け合い、前工程や後工程の業者間における細かい調整を行いやすい雰囲気づくりに一役買っている。
さらに、空き缶のプルトップを収集し、車椅子と交換する社会貢献活動も熱心に行っている。プルトップ8,000kg分を集めると車椅子1台になり、同社の全現場共通の活動となっている。
ここ晴海からは、変貌著しい東京を見渡すことができる。朝潮運河をはさんだ向かい側には、超高層マンションやスーパーマーケットからなる大規模再開発プロジェクトがある。湾内を行き交う船、羽田空港に離着陸する飛行機、お台場やレインボーブリッジも一望できる。
毎年8月の第2土曜日に開催され、60万人以上の観客が詰めかける東京湾大華火祭。その打ち上げ場所は、この現場のすぐ近くである。周辺の混雑をよそに、ゆっくりマンションから見物できなんて、それこそ最高の癒し、ステータスなのだろうな、と思う。
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コメント
東京のことはあまりよくわからないのですが、晴海、よさそうな所ですね。
そんな所に住んでみたいなぁとちょっと思いました。
投稿: FX比較侍 | 2008/07/09 14:50