« 日本赤十字社医療センター建物建設工事 | トップページ | わんチャンネルTV プレゼント »

2008/04/30

中央雨水1号貯留幹線2工区

「そら」2008年3月号 現場拝見  第6回

中央雨水1号貯留幹線2工区

間・東洋・飛島・京葉工管建設共同企業体

シールド工事の防音ハウスが

一夜限りのライブハウスに

JR京葉線の千葉みなと駅前の一角に、「中央雨水1号貯留幹線2工区」のシールドマシンの発進基地がある。

千葉市中心部では都市化の進行とともに、大雨の時に雨水が地下に浸透しにくくなり、短時間で大量の雨水が下水道や河川に集中するようになった。近年、局地的集中豪雨が頻発しているが、降った雨が下水管に流れ込む割合は50%ほど。そのため、雨水の流出量が増大し、床下・床上の浸水被害も発生しやすくなっている。こうした問題を解決するため、平成17年10月から、地下に雨水を一時的に貯めるためのトンネルを建設中だ。

この雨水貯留管が整備されると、雨が下水管に流れ込む割合は20%アップし、雨で薄められた汚水が川や海へ放流される回数を半減させて、汚濁防止にも役立つという。

シールドマシンを稼動させるトンネル建設は、昼夜連続の作業のため、どうしても作業音がしてしまう。周辺の環境に配慮して、騒音や振動を極力カットするため、シールドマシンの発進基地は、巨大な「防音ハウス」で覆われている。

そのシールドの発進式を行った平成19年3月25日、この防音ハウスが一夜限りのライブハウスに変身した。山田貴子トリオによるジャズ演奏が、抽選で集まった230名の前で催されたのだ。防音ハウスでジャズライブとは、なんとも粋なはからい。心地よいジャズのビートとともに、みなさん防音効果も体験できたのでは?

見学した小学生から「ケガをしないで

がんばって」と感想文

作業基地となるシールドの発進立抗は、深さ38m。安全かつ迅速に昇降するため、エレベーターも配備されている。山口忠美所長(間)のご案内で、私は、地下38mにエレベーターで降り、泥水加圧式シールド工法の現場を見学させていただいた。

地盤の改良を省略するため、炭素繊維などで補強した新素材による土留壁をシールド機で直接切削している。これは、発進防護工、到達防護工と呼ばれる工法である。

トンネル工事は、目に見える部分が少ないため、その実態は一般にあまり知られていない。暗く狭い地中で、泥にまみれた壮絶な現場を想像するかもしれない。しかし、目の前に広がるトンネル内は、土砂もなくきれい。快適職場にも認定された現場は、毎日、たくさんの見学者が訪れる。工期内で2,000名を想定しているそうだ。幼稚園生と保護者が見学した際、現場をイメージして描いてもらったという壁面のイラストが、あたたかな雰囲気をつくっている。

「小学生の見学会のあと、ケガをしないで、がんばってくださいという感想文が寄せられました。所内全員が励まされるとともに気を引き締めることで、安全意識の向上にもつながりました」と山口所長は語る。

坑内には、50mごとに色を替えた蛍光灯が設置され、とても明るい。常に距離感を意識させるとともに、非常灯としても活用されている。従来は、個々に行っていたシールド掘進整備の運転と制御は、地上の中央制御室で、リアルタイムで集中管理されている。

山口所長は、この現場の前は、杜の都・仙台の広瀬川河畔で、シールド工法による電力洞道トンネル工事を担当されていたそうだ。

「シールド掘進とセグメント(コンクリートと鋼製の専用壁材)の組立作業という、昼夜連続の繰り返しで18ヶ月もの長期間にわたりトンネルを掘り進めています。

その間、約20,000回以上も立坑での荷役や資材搬送の作業があります。さらに、1日100台も場内を車両が通行して、残土の運搬や資材の搬出入に当たります。

長期間の繰り返し作業の馴れとマンネリ化による不安全行動や設備・機械類のトラブルの災害を防止するため、二重三重の安全対策をルール化し、遵守するよう日常的に安全衛生活動に取り組んでいます」と強調する。

所長自ら種から育てた四季折々の

草花で現場のイメージアップ

不安全行動災害の防止のため、安全掲示板は、だれが見てもはっかりわかるものを設置した。そして、所員の顔写真と行動目標や日々の進捗状況を明記した。

安全のための所長方針「作業所全員による安全意識の向上を図る」ため、①本工事特有の危険要因の摘出と対応策の完全実施。現場固有の安全基本ルールを設定し、完全に遵守させる、②教育・訓練による安全作業の充実と定着を図る。定例・特別教育、避難・消火・救護訓練等の実施、③コミュニケーションの充実を図る。JV職員・協力会社が一体となって快適な職場環境を目指す。

I S O所長方針「豊かな環境づくりに貢献する」ため、①ごみはリサイクル資源と廃棄物に分別し、処分する、②再生資源の利用や材料を余らせない工夫をし、資源を有効に活用する、③使用していない電気・照明はOFFにし、省エネに努める、④騒音・振動の発生を抑制するため環境手順を遵守し、作業を行う、⑤重機・車輌はアイドリングストップをし、温暖化防止に努める。

さらに「価値ある製品・サービスを提供する」として、次の5点を挙げている。①作業手順教育は全員が受講し、品質向上のため作業内容をよく理解する、②材料受入検査を実施し、合格した材料のみを使用する、③材料は置場を決めて識別・養生し、品質の維持と使用の間違いを防止する、④検査機器の点検・管理を実施し、適正な機器を使用する、⑤工程内検査を実施し、適合品を次工程へ引き渡す。

「遵守事項」は12か条。①いつもみんなに大きく元気な声で挨拶、②安全指示は具体的に、③高所作業は安全帯を着用でなく使用する、④決められた作業行動は必ず指差呼称で確認、⑤立坑の荷役は下部作業者の避難の確認後、開始する、⑥入坑時は全員トラチョッキを着用、⑦坑内の通行規準を遵守、⑧機械の点検時は元電源OFF・投入禁止札・施錠をする、⑨機械・設備の運転は取扱い責任者が行う(有資格者でも不可)、⑩玉掛ワイヤーはロック止めを使用(さしワイヤー不可)、⑪搬入資機材は所定の位置・置き方で整理、⑫搬出入車両は原則的に前進で入退場する(右折禁止)。

ガーデニングが趣味という山口所長は、現場のイメージアップのため、自ら種から育てた草花を防音ハウス前の花壇に植えている。山下寿弘さんを中心とする職長会も、水やりなど協力している。

「工事は、全体の61%の掘進を無事故で完了しています。残りも急カーブの施工や重要な構造物に近接するなど、困難なことが山積みしています。さらに安全整備の創意工夫をして、全工期の無災害記録達成に向け、作業所全員一丸となって臨みたいですね」。山口所長は力強く語った。

|

« 日本赤十字社医療センター建物建設工事 | トップページ | わんチャンネルTV プレゼント »

建築現場より」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 中央雨水1号貯留幹線2工区:

« 日本赤十字社医療センター建物建設工事 | トップページ | わんチャンネルTV プレゼント »