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2008/02/05

ジャーナリスト黒薮哲哉さんより

実はわたしと読売新聞・法務室長との間に、言論の自由にかかわる重大な係争事件が発生しております。このメールで事件の概要をお知らせいたしますので、友人、知人、あるいはメディアに転送していただければ幸いです。個人のホームページが大メディアに対抗するためには、ネットを通じて草の根的な情報発信が最も有効な方法ではないかと考えます。

【事件の概要】
事件は読売西部本社の江崎徹志法務室長が、わたしにメールである文書を送りつけてきたことに始まります。内容から一種の怪文書に近いと判断したわたしは、新聞販売黒書でこの文章を公表しました。すると江崎氏がいきなり東京地裁に仮裁判を申し立て、文書を削除するように要求してきたというものです。 あたかも最初から裁判を意図していたかのような印象があり、このところ流行しているSLAPP(裁判を利用した言論妨害)ではないかとの疑いを抱いています。

しかし、今回の係争の発端は、厳密に言えば2002年ごろまでさかのぼります。当時、読売新聞社の販売店であるYC広川(読売センター広川)は、読売新聞西部本社から廃業を迫られていました。しかし、同店の真村久三店主は、読売新聞社の申し入れを拒否します。その結果、真村氏は読売関係者からさまざまなハラスメントを受けるようになりました。

このうち読売新聞社が真村氏に対して課した最も非情な措置のひとつに、訪店拒否がありました。読売新聞社の販売店であるにもかかわらず、読売社員がYC広川を訪問して、業務上の打ち合わせをすることすらも中止したのです。「飼い殺し」、あるいは「死に店」扱いと言われるものです。
真村氏は2002年9月に読売新聞社に対して、地位保全を求めて裁判に踏み切りました。

余談になりますが、訪店拒否など読売新聞社の販売政策は、優越的地位の濫用として福岡地裁・久留米支部でも福岡高裁でも断罪されました。さらに2007年12月25日には、最高裁判所が読売新聞社の「上告受理申し立て」を受けつけない判断を下しています。

最高裁の決定が下る少し前の時期、つまり2007年の12月に入ってから、読売新聞社は真村氏に対して、訪店を再開したい旨を申し入れてきました。真村氏はだたちに、江上武幸弁護士に相談。と、いうのもこの時期にはまだ最高裁の判断が下っていなかったために、真村氏は「自分は読売新聞社と係争中である」という認識があったからです。

江上弁護士は読売新聞社の真意を確認するために、内容証明の郵便をおくりました。その結果、江崎氏から次ぎのような回答がありました。

「 前略
読売新聞西部本社法務室長の江崎徹志です。
2007年(平成19年)12月17日付け内容証明郵便の件で、訪店について回答いたします。
当社販売局として、通常の訪店です。
以上、ご連絡申し上げます。よろしくお願いいたします。」

真村氏は、裁判を週刊誌やネットニュースで報道してきたわたしに対しても、読売新聞社の新しい動きを報告してくれました。そこでわたしは、“真村裁判”における大ニュースとして、新聞販売黒書で読売新聞社がYC広川の訪店を再開する旨の記事を掲載し、その裏付けとして江崎氏の回答を引用したのです。

ところが江崎法務室長は、わたしにメールで催告書を送りつけてきて、回答文をサイトから削除するように要求しました。その理由として、回答書は江崎氏の著作物なので、公表権も江崎氏に属し、わたしには回答書を公表する権利がないからというものでした。

しかし、著作権法では、巷に溢れているあらゆる文書類を著作物と定義しているわけではありません。文書類はすべて著作物と思いこみがちですが、著作物として保護されるものと、保護の対象にならないものがあるのです。
これについての基準を定めたものが、著作物を定義した著作権法の第2条1です。それは次のように述べています。

思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。

わたしは回答書が著作物に該当しない旨を江崎氏にメールで伝えました。しかし、これに対して何の返答もありませんでした。そのかわりに送られてきたのが、仮裁判の申立書でした。しかも、回答書を削除しろという要求ではなくて、催告書を削除しろという要求だったのです。

【地裁の判断】
仮裁判で東京地裁の佐野信裁判官は、江崎氏の主張をあっさりと認めました。しかも、驚いたことに決定書には、決定理由が書かれていませんでした。この事実そのものが異常です。通常はありえないことです。読売側の主張を認めたとしても、その理由を明記するのは常識です。
地裁が著作物と判断して削除を命じた催告書とはどのような文面だったのか、本来であれば、ここで全文を公開したいところですが、仮裁判により江崎氏の著作物と認定されてしまったいまは、紹介することができません。
わたしはこのような情況を跳ね返すために、本裁判を検討しております。

【自由な言論活動の妨害】
しかし、この問題はわたしだけの身の上に降りかかっているわけではありません。今回のように著作権法の拡大解釈がまかり通ってしまうと、ジャーナリズム活動そのものが非常に難しくなります。たとえば脅迫状を受けとったひとが、その内容を公表したならば、著作物を理由に違法行為の烙印を押され、懲罰の対象にされかねません。と、なれば内部告発そのものにブレーキがかかることは明らかです。

読売の江崎氏が著作権法の拡大解釈への道を開こうとしている事実と、読売新聞社がジャーナリズムを命とする言論機関である事実は、明らかに矛盾していますが、同時に読売がメディアを自分たちだけの独占物にしようという誤った野望を秘めているとの見方もできるのではないでしょうか。
今回の催告書の件を通じて、はからずも読売の体質が露呈したと言えるかも知れません。

今後、新聞販売黒書で読売との係争を報道していきますので、草の根のレベルで裁判についてのニュースを広めていただくよう、改めてお願い申し上げます。

黒薮哲哉   TEL・FAX(03)3976-6012
            xxmwg240@ybb.ne.jp

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