春寒やぶつかり歩く盲犬
3/17 村上鬼城
(はるざむやぶつかりあるくめくらいぬ)
(むらかみきじょう)
たしか教科書に載っていたのを目にして、鮮烈な印象がある。私は昨年、高崎・竜広寺にある鬼城の墓所もお参りした。
この犬のモデルとなったのは、旧鬼城宅近くの福田家のマルという犬だとか。鬼城には、「行く春や親になりたる盲犬」もあり、「闘鶏の眼つぶれて飼はれけり」「冬蜂の死にどころなく歩きけり」など、境涯俳句と呼ばれる。
聴覚を失いながらも高崎区裁判所の司法代書人として働き、10人の子供に恵まれた。「ホトトギス」で活躍し、座右の銘は「心眼」ならぬ「心耳」。
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