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2007/02/13

春愁や鳴くこと知らぬ石の犬

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上村占魚

(しゅんしゅうやなくことしらぬいしのいぬ)

(うえむら せんぎょ)

犬のかたちをした石を掌にのせてじっと見つめているのか、または狛犬のような石像を眺めているのか。「鳴くこと知らぬ」に情感がある。

「占魚」という俳号は、故郷・熊本の球磨川の鮎の字を二つに分けたものらしい。松本たかしや高浜虚子に師事、「ホトトギス」同人。俳誌「みそさざい」創刊。

吉野秀雄、会津八一、斎藤茂吉、川端康成、大佛次郎、草野心平、宮柊二、中川一政、亀井勝一郎などと親交を深めた。平成8年76歳で死去。揚句は句集『石の犬』より。

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