春愁や鳴くこと知らぬ石の犬
2/13 上村占魚
(しゅんしゅうやなくことしらぬいしのいぬ)
(うえむら せんぎょ)
犬のかたちをした石を掌にのせてじっと見つめているのか、または狛犬のような石像を眺めているのか。「鳴くこと知らぬ」に情感がある。
「占魚」という俳号は、故郷・熊本の球磨川の鮎の字を二つに分けたものらしい。松本たかしや高浜虚子に師事、「ホトトギス」同人。俳誌「みそさざい」創刊。
吉野秀雄、会津八一、斎藤茂吉、川端康成、大佛次郎、草野心平、宮柊二、中川一政、亀井勝一郎などと親交を深めた。平成8年76歳で死去。揚句は句集『石の犬』より。
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