新別館ビル新築工事②
「玉掛けや高所作業やクレーン作業などをするとき、黄色のフォークリフトなどの技能講習修了者、青色の高所作業などの特別教育修了者、赤色のクレーンなどの免許資格者というように色分けした資格証を首から提げて行います。これで、一目で確認できます」(安全・宮崎さん)
「ゼロエミッションのモデル現場として、分別の確認と指導に力を入れています。廃材や段ボールなどを使いやすいように小さく切って、近隣の住民の方に分けて有効活用してもらうことで、地域との共生にも役立てています」(環境・村中さん)
「赤坂周辺は大型現場が集中していますから、工事車輌で道路が混み合って、地元商店街などに迷惑をかけないよう配慮しています」(衛生交通・佐藤さん)
「オリンピック制度の関係書類を作成しています。パートナー制度も実施しています」(広報・国吉さん)
「オリンピック制度」と「パートナー制度」は、前の現場で初めて耳にした。こちらでは、午前八時の朝礼のほかに、午後1時に昼礼も行っている。そこで行っているのが「パートナー制度」。これは、まず、パートナーを組んだ相手を思いやり、相手の立場に立って考えられる信頼関係をつくろうというもの。
「体調が悪いのに気づかないまま作業をしていると、思わぬところで事故を起こしてしまうことがあります。一日二回、朝礼と昼礼のときに握手をしてスキンシップを図り、お互いに相手の健康状態や服装などをチェックします。自分自身では気づかないところを見つけてもらって、災害を未然に防ぐのです。
さらに、作業現場で、使用する機械や工具、作業場所の安全点検を行い、危険がひそんでいないか、指差し・掛け声確認をします。チェックカードに細かく書き込むことによって、末端の作業員まで、安全を守る意識を徹底しています」(武藤会長)
そのほか、フロアごとに数グループが集まり、混在する作業について説明する「現地KY活動」も実施している。
また、すべての作業員を対象に、無災害労働を続けた時間、職長・所長などの評価によって「金・銀・銅会員」という三つのランクに分けて登録している。これが「オリンピック」制度。
毎月、銀・銅会員の推薦が提出され、月末には結果が発表される。なかには落ちる人もいる。それぞれ、金・銀・銅に色分けした「御守シール」がヘルメットに貼られる。
現在、銀会員は二〇数人。金会員になるには、上級職長認定者であること、無災害延労働時間の累計が一二五〇時間(スポットは累計六〇〇〇時間)、奉仕清掃に積極的に参加しているか、安全態度は他の模範となっているか、といった項目に加え、職長面接もある。他の職との連携・調整にリーダーシップを発揮しているかなども問われる。こうしたことを見事クリアした金会員は、四人しかいない。
ちなみに、清水顧問と武藤会長は金会員、日吉さんは銀会員。銀会員には、愛幸桧のネーム入りベスト、金会員には時計などの記念品が贈呈される。
とくに金会員は、実績などの継続的貢献度が高く評価され、「愛幸桧の正会員として登録、各種の特典を与え、以後の所長管轄現場においても優遇する」とある。つまり、「(業界を引退するまで)一生のおつきあい」(中村所長)が保証される。
まさに、金会員は、職長の星。スーパーエリート職長といえよう。
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