猟犬が嗅ぎていぶかる兎罠
1/21 米沢吾亦紅
(りょうけんがかぎていぶかるうさぎわな)
(よねさわわれもこう)
兎狩は、大勢の勢子によって網の中へ追い込んだり、犬で追い出したりする。また、兎の通り道に輪状の針金で作った「兎罠」を仕掛けて獲ることも。野兎、黒兎、兎狩、兎網、兎汁なども冬の季語である。
「人間の足がかかりぬ兎罠 福田蓼汀」という句があるが、兎がかかっている「兎罠」よりも、からっぽの「兎罠」のほうが私は怖ろしい。
「いぶか」しく罠を覗き込みながら匂いを嗅いでいる「猟犬」。もしかしたら、ある拍子にその罠に嵌ってしまうかも知れない。
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