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2007/01/27

軒を出て狗寒月に照らされる

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藤沢周平

(のきをでていぬかんげつにてらされる)

(ふじさわしゅうへい)

軒下にいた「狗」が、ゆっくり「軒を出て」いく。これからどこに行くのか。あとを追いたい気持ちを抑えて、「寒月」が煌々と照らし出す「狗」の姿を見守っている。一頭の「狗」から、冷え込んだ「寒夜」の寂寥感や諦念が伝わってくる。

こんな光景を私もいつか目にしたことがあるような気がして、懐かしい。『藤沢周平句集』(1999・文藝春秋)所収。

1月26日は、1997年に亡くなった藤沢周平の命日。寒梅忌の名で山形県で偲ぶ会が行われる。藤沢周平と俳句は、根強い人気の小説の源泉ともいえるものなのかもしれない。

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