狩の犬魔王の森を出できたる
1/28 依田明倫
(かりのいぬまおうのもりをいできたる)
(よだめいりん)
人を寄せつけない深い森の中の大樹。それに「魔王」が宿っているとして、「魔王の森」と呼ばれていた。そして、森の番人でもある「狩の犬」。
作者は、北海道在住ということもあり、大地に根ざしたスケールの大きさを感じる。
ところで、私が「魔王」で思い出したのは、ゲーテの詩にシューベルトが曲を付けた歌曲。父と子が馬に乗って嵐の中を急いでいると、子を誘う「魔王」の声が聞こえてくる。子は必死に父に訴えるが、ついに魂を奪われ死んでしまう。
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