冬椿疲れて犬の鳴き止みぬ
1/24 守屋明俊
(ふゆつばきつかれていぬのなきやみぬ)
(もりやあきとし)
何に対して犬が執拗に吠えていたのか。他人に対してか、家人に何か要求していたのか。それはわからない。
「疲れて犬の鳴き止みぬ」は、自然にぽろりと口をついて出たという感じで、なんともいえないユーモアも漂う。もしかしたら、鳴き「疲れ」た犬は、そのまま眠り込んでしまったのかもしれない。
犬の「鳴き」声が止んだあとの静寂に、真っ赤な「冬椿」が溶け込んでいる。寒気の厳しいなか、咲き続ける「冬椿」に、包み込むようなあたたかさを感じる。
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