« 憲法25条 食品安全 | トップページ | いま、平和に生きる権利を主張しよう »

2006/06/05

憲法27条1項 労働権

27条1項「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負う」として、国民の労働権を保障している。

労働条件や雇用期間を一方的に変えられた、解雇された……東京労働相談センターには、さまざまな相談が寄せられる。最近増えているのは、期間限定の有期雇用(臨時・アルバイト・派遣)で、必要がなくなると「雇い止め」といって解雇すること。また、長時間働いているのに残業代が支払われない、休日がとれないという相談も。過労死や過労自殺を心配する家族からの相談も多い。

リストラで人が減らされ、1人当たりの労働量は増え続けている。これまでの正規社員の仕事は、残った社員と労働条件の悪いパート、短期間雇用、派遣社員など、非正規の労働者が担っている。その仕事は、正規社員と変わらないばかりか、長時間労働を強いられている。

前澤檀所長は、「製造業において、部品や原材料を必要なときに必要なだけ調達して在庫を抱えないジャスト・イン・タイムが、労働市場にも導入された結果、正規も非正規も変わらない、労働の質の均質化が進んだ」と指摘する。

1995年、日経連は、「新時代の日本的経営」という21世紀を展望した新しい労働者管理についての報告を発表。それまでの終身雇用制と年功序列型賃金を変え、①ごく少数の正規労働者による終身雇用型、②高度な技術や専門能力を持つ人を3~5年活用型、③1年以内の時給中心の短期雇用型(雇用柔軟型)、という3つに分けて管理するもの。

さらに、女性の深夜労働の解禁、一定時間以内なら残業代を払わなくてもよい変形労働時間制や社員を他社に派遣して利潤を上げてよいことにして派遣事業法も拡大。また、労使協定すれば、各人の年次休暇を会社の指定する日に定められるようにするなど、雇う側に都合のよい労働法制の改正が行われ、柔軟型とは名ばかりの不安定な就労を導入しやすい環境づくりが進んだ。

2003年の労働者派遣事業法改正では、労働契約を1年から3年まで延長、製造業にも派遣労働者を適用。労働者は、派遣会社から商品として企業に派遣され、給料は派遣先の企業が払うのではなく、いったん派遣会社に支払われ、派遣会社から給料を受け取る。有給休暇や健康診断も派遣会社が行う。

こうした労働構造の大きな変化により、「これまで働く人々にあった社会生活への期待感や信頼、技術の継承といったことが崩れた。フリーターやニートの問題も、学校を卒業しても最初から仕事がなくていきなり失業という現実では、好き好んでやっているわけではなく、強いられた結果。全否定したり、頑張れと励ましたりする前に、世の中で何が起こっているのかをよく知り、自分の持っている知恵や力を確認することからしか始まらない」と前澤さん。

相談センターでは、相談を受けると、労働者の権利に基づいて必要な情報や手立てをアドバイス。必要に応じて雇い主に事情を聞き、労働組合と一緒に交渉に当たる。民事裁判をする場合は、関係団体を紹介するなどして支援体制を整える。

「労働組合法の公布は1945年12月と、日本国憲法の公布より早い。二度と戦争をさせない国を作るため、国民の権利を保障しなければ豊かな暮らしと平和はもたらせないということ。教育基本法改悪、イラク参戦、有事法制など、働く人々の生活が根底から破壊されようとしている今、戦後いち早く労働組合法が制定された意味が問われているのではないか?」

|

« 憲法25条 食品安全 | トップページ | いま、平和に生きる権利を主張しよう »

憲法の現場」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 憲法27条1項 労働権:

« 憲法25条 食品安全 | トップページ | いま、平和に生きる権利を主張しよう »